友達同士や恋人にたくさん送ってしまいたくなる「LINEスタンプ」。さまざまなスタンプがある中でも、「けたたましく動くクマ」のスタンプを愛用している人も多いのではないでしょうか。
アニメーションスタンプのダウンロード数は1位を獲得するほどの人気であるスタンプの作者は現在大学生のたかださん。イラストは未経験の状態から一気にブレイクさせたたかださんに、やりたいことを成功させる秘策や、スタンプづくりの裏側について伺いました。
きっかけは「暇すぎて」 未経験から1週間で制作
――最初にLINEスタンプをつくろうと思ったきっかけを教えてください。
大学が夏休み期間であまりにも暇すぎたから、というのが一番大きな理由ですかね(笑)。もともとイラストを描くのは好きだったんです。昔からよく紙に落書きをしているようなタイプでした。
そのころ、LINEのアニメーションスタンプ(動くスタンプ)が個人でもつくれるようになり、なんとなく興味もありました。おまけに、「LINEスタンプは売れれば儲かる」というのを聞いて、これは自分もやってみようと思い立ちました(笑)。
その日の夜に早速ウェブで描けるツールを購入し、1週間後にはLINEスタンプを描き上げましたね。
――そこで誕生したのが「けたたましく動くクマ」のスタンプだったのでしょうか。
いえ、最初に描いたのは別のものでした。その次につくったのが「けたたましく動くクマ」ですね。
音つけてみた pic.twitter.com/CY4He6tMgO
— takadabear (@takadabear) January 16, 2017
個人的に、直球でウケを狙いすぎているスタンプやかわいいものはあまり好きじゃなかったんです。それよりも、ちょっとシュールな方が好きで。そこから、真顔で変な動きをさせてみたらどうかと思い、あの形にまとまりしました。発売して1週間でランキングが1位になったのでものすごくびっくりしました。
――いきなり人気が出るなんてすごいですよね。知り合いやご家族はたかださんがこのスタンプの作者だということを知っているのですか?
つくった段階ですぐに「こんなLINEスタンプを描きました!」といろいろな人に自慢してしまっていたんです(笑)。だから、僕がつくったことは周りにはバレバレというか、売れる前に自分から言ってしまっていたんですよね。
――大ヒットに周囲もかなり驚かれたのでは。
そうですね。この前、オーストラリアに旅行に行った際、飛行機の中でパソコンを開いて「けたたましく動くクマ」の新しいスタンプをつくっていたんです。そうしたら、それを見たキャビンアテンダントの方から「作者の方ですか?」と話しかけていただいたのはびっくりしました。周りだけでなく、こんなにもいろいろな人に広がったのだというのを実感しましたね。
ひとりで抱え込まず誰かと一緒に取り組むこともひとつの手
くぇくぇくぇ~♡#けたたましく動くぺんぎん#けたぺん pic.twitter.com/x5Gx3FL3rs
— けたたましく動くぺんぎん (@Shrill_penguin) June 27, 2017
「けたたましく動くぺんぎん」も登場
最初はひとりで全部の作業をしていたので、てんてこまいで。今は友達とふたり体制で作業しています。僕がスケジュールを管理するのが苦手なので、代わりに友達が進行管理をしていたりと、手分けしてうまくやっています。徹夜で作業することもありますが、基本的には自分たちのペースで無理のないようにやっているのでとくに学校に支障はないですね。
――たかださんのようにLINEスタンプをつくりたいと思う人も多いかと思います。やりたいことで成功する秘訣はなんでしょうか。
これだけいろいろな人に使ってもらえるようになったのは、とくに自分の実力ではないと思うんですよね。アニメーションスタンプが始まったタイミングだったので、うまく流行の流れに乗れただけなんです。新しいアイディアを生み出そうとするよりも、情報のアンテナを張って早めに行動に移すことを意識してみるといいのもしれません。
――新しいアイディアを思いつくのは難しいかもしれませんが、アンテナを張って行動するというのは心がけ次第でできそうですね。
アイディアも考えすぎると煮詰まってしまうので、あくまでも楽しい状態でやるようにしてします。今は友達と一緒にやっているので、遊びの延長線上にあるんです。ふたりでふざけながら考えたりして、無理なく楽しくやっています。
大学卒業後は、イラストやデザインとは関係ない仕事に就職しようと思っているので、こんなふうに楽しみながらやれるのは今だけかもしれないので。就職しても並行してやっていければとは思いますけどね。暇つぶしから始まったことですが、これ以上最高の暇つぶしはないかもしれないです。
まとめ
スタンプをつくり始めたきっかけは「ひまだったから」と言うたかださん。興味があることがあっても、つい後回しにしてしまったり、チャレンジする勇気がなかったりして、なかなか行動に移せないものです。しかし、些細な動機でも、やってみたら思いがけない経験や成功が待っているかもしれません。みなさんも、たかださんのように、「まずはやってみる」というのを意識してみてくださいね。
たかだ
学生クリエイター。アニメーションスタンプ「けたたましく動くクマ」で2016年のLINE Creators Stamp AWARD 2016にて特別賞を受賞。
グッズ展開やミュージックビデオの制作など活動の幅を広げている。
文:成瀬瑛理子